美容室を開業する際のスタート地点となるのが、事業計画書(創業計画書)の作成です。
そして美容業界においては競合店舗が多いため、美容技術や接客サービス、店舗イメージが顧客獲得の重要な要素をしっかりと考え、明確に記載する必要があるのです。
そこで本記事では、事業計画書とは何か、セールスポイントの重要性、注意点、書き方について、詳しく紹介していきます。
事業計画書のセールスポイントは競合との差別化し、美容室開業を成功させるために重要なポイントにもなるため、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
美容室開業で必要な事業計画書とは
事業計画書または創業計画書とは、事業の方向性を示し、外部の関係者に対して事業の価値を説明するものです。記載する項目は、主に以下の通りです。
- 創業の動機
- 経営者の略歴等
- 取扱商品・サービス(セールスポイント)
- 取引先・取引関係等
- 従業員
- お借入の状況
- 必要な資金と調達方法
- 事業の見通し(月平均)
上記の内容は経営者自身の考えを整理し、具体的なビジネス戦略を立案する手助けにもなります。
また事業計画書は自分で作成したものでも良いですが、『日本政策金融公庫』で「テンプレート」が配布しているため、自分が作成しやすい方を選択しましょう。
事業計画書は金融機関から融資を受ける際の大切な資料でもあります。
特に、上記の記載する項目の「取扱商品・サービス」は、顧客目線でのメリットを明確にしてセールスポイントとして記載する必要があります。
いくら競合と差別化できる技術やサービスがあっても、文章にできなければ意味がないため、言語化できるようにしましょう。
美容室の事業計画書で必要なセールスポイントとは
事業計画書の取扱商品・サービス(セールスポイント)は、開業する美容室のセールスポイントや、他社との差別化のポイントを具体的に説明する部分です。
他の競合美容室との違いを明確にし、自分の美容室だけの「売り」や「商品」について考え、具体的に記載しましょう。例えば、特別な技術やオリジナルメニュー、使用する高品質の製品などが挙げられます。
また顧客体験を重視し、リラックスできる空間や丁寧な接客を強調して、他店との差別化が図れます。さらにターゲット顧客のニーズに応じたカスタマイズサービスや特典の導入も、リピート客を増やす戦略にもつながります。
こうした取扱商品やサービスを具体的に言語化していくと、より魅力的なセールスポイントを書けるようになるでしょう。
美容室開業のための魅力的なセールスポイントの書き方
美容室を開業する際、魅力的なセールスポイントを明確にすることは重要なため、セールスポイントポイントの書き方を紹介します。
競争が激しい業界では、他店と差別化を図るために、独自の技術やビジネスモデルを打ち出さなければいけないため、しっかりと考えていきましょう。
独自の技術やビジネスモデルで競合と差別化をする
競合がひしめく美容室業界では、独自の技術やビジネスモデルを持つことが成功の鍵です。
例えば、特許を取得したヘアケア技術や、オリジナルのトリートメントメニューを提供することで、顧客に特別感を与えられるでしょう。
また、サブスクリプションモデルという、平日限定や月額制で特定のサービスを受けられる仕組みを作ることも効果的です。
このように、他の美容室にはない特長を前面に押し出すことで、顧客の興味を引きつけ、リピート率を高めて固定客の獲得にもつながるでしょう。
事業計画書内のセールスポイントの記入例
事業計画書におけるセールスポイントの記載内容は、具体的かつ明確に記載することが求められます。
例えば「当サロンでは、髪質改善に特化したオリジナルトリートメントを提供します。このトリートメントは、厳選された天然成分を使用し、髪の内部から補修を行えるため、艶のある髪に仕上げられます。」というように、具体的なサービス内容を示すと良いです。
また、顧客が得られるメリットも明確に伝えましょう。「施術後は、しっとりとした質感が持続し、毎日のスタイリングが楽になります。」というように、実際の効果や体験を具体的に記述することで、読者に響く内容になるでしょう。
このようにセールスポイントを具体的に記入することで、事業計画書の説得力を高められるため、自分の店舗は「どういった部分が競合に負けないか」を考えると記入しやすくなります。
事業計画書で書いてはいけないセールスポイントがある!?
事業計画書におけるセールスポイントは、明確で差別化が図られていることが求められますが、あまりオススメできない書き方があります。例えば、以下のような一般的なセールスポイントは避けるようにしましょう。
- 完全マンツーマンの接客
- 丁寧なカウンセリング
上記の内容は、つい書いてしまいがちな内容です。
しかし、美容室ではスタイリストとアシスタントが分業することが多いため、マンツーマンの接客を強調しても特に新しさがなく、融資担当者の心には響かない可能性があります。
また丁寧なカウンセリングは、具体的な違いが示されていないため、他サロンとの差別化ができず、印象が薄くなってしまいます。
セールスポイントで重要なのが、「当たり前」のサービスとして受け取られないように、どのように競合店舗と異なるのかを明確に伝えることです。
差別化の要因を具体的に記述することで、計画書の信憑性が高まり、融資にも通りやすくなるでしょう。
美容室の事業計画書のセールスポイントは1つでもOK!
美容室の事業計画書において、セールスポイントは必ずしも複数書く必要はありません。
むしろ、1つの強力なセールスポイントを持つことが、他の美容室との差別化を図る上でとても効果的と言えるでしょう。
セールスポイントは独自の技術やサービス、顧客体験など、明確で具体的である必要があります。特定の強みを明確に記載することで、顧客にその価値を直感的に理解してもらいやすくできます。
さらに、そのセールスポイントを中心に事業計画を構築すれば、他の要素も自然にその強みを補完する形になります。結果として、シンプルではありつつも、競合との決定的な違いを分かりやすく伝えられるでしょう。
まとめ
美容室を開業する際、事業計画書は重要な書類の1つです。
この計画書には、創業の動機や経営者の略歴、取扱商品・サービス、取引先、資金調達方法など、さまざまな要素を具体的に盛り込む必要があります。
なかでも、セールスポイントは他店との差別化を図るための重要な部分であり、独自の技術や特別なサービスを記載しなければいけません。
独自性を考える場合、例えばオリジナルのトリートメントやサブスクリプションモデルを取り入れることで、顧客に独自のサービスを提供しながら、固定客を獲得できるでしょう。
このように具体的で魅力的なセールスポイントを盛り込むことで、計画書の説得力だけではなく事業の成功につながるため、ぜひ実践してみましょう。