自宅美容室の開業費用はいくら?内訳や資金調達を徹底解説

2024-11-12

今住んでいる家をリフォームして、美容室をオープンしたいと考えている方もいるでしょう。おおよそではありますが、自宅を美容室にする費用は500~1,000万円程度と言われています。シンプルなリフォームでは約500万円の相場ですが、より専門的な設備を導入したり、内装にこだわったりすると、費用は1,000万円を超えることも珍しくありません。この記事では自宅で美容室を開業しようかと検討している方に向けて、費用の目安や内訳、資金調達などお金まわりを詳しく説明します。

自宅で美容室を開業したときの費用と内訳

自宅で美容室を開業したときの費用と内訳

自宅で美容室を開く主な費用は以下の6項目です。どこで何の費用がどれくらいかかるのかを把握することで、余裕のある資金計画を立てることができます。

1.壁紙や床などの「内装・外装工事費用」

自宅をリフォームするならば、部屋や外回りを美容室として工事する必要があります。内装・外装工事に関しては、どれくらい手を加えるかによっても費用は異なります。

 

・壁紙や床を変える程度なら10万円程度

・水道の給排水工事や電気の配線工事をするなら100万円程度

・エアコンや空調を整備するなら30万円程度

・窓や建具を新設すると50万円程度

 

このように10万円程度から数百万円と幅が広いです。できるだけ費用を抑えたいなら、壁紙やDIYで対応するなど、対応できそうな部分は業者に頼まず自分で作業するのも良いでしょう。また、まずはどこでも使える移動式シャンプー台を導入して、必要に応じて給排水工事をするのもおすすめです。

2.器具や什器などの「美容器具」

美容室には専用器具や什器が必要です。おおよそですが、最初からすべて新品でそろえると100万円程度になるケースが多いです。リース契約やアウトレット品、中古品などをうまく活用すると、費用を抑えられるかもしれません。

 

・鏡……2~10万円程度

・スタイリングチェア……10~30万円程度

・スツール……1~5万円程度

・ワゴン……5千円~3万円程度

・ドライヤー類……5千円~3万円程度

3.お店を運営するための「設備費」

美容器具以外にもお客さまの待機スペースやレジまわりなどには設備が必要です。有名ブランドのインテリアを置くのなら、費用は高額になります。アウトレット品やリサイクル品などをうまく利用すれば、費用を抑えられるでしょう。

 

・待合スペースの椅子やテーブル……5千円~10万円程度

・パソコンやタブレット端末……5千円~20万円程度

・電話……2千円~2万円程度

・レジ……2~5万円程度

・冷蔵庫……2~5万円程度

 

レジに関してはPOSレジを契約すれば、パソコンやタブレットでお金まわりを一気に管理できるようになり、とても便利です。また、予約受付・管理サービス(LINE予約ができると良い)や顧客管理ソフトを契約すると効率が良くなります。こちらは月額5千円~1万円程度と、機能によって異なります。最初は最低限の契約をしておき、状況によって増やしていくと無駄がありません。

4.シャンプーやカラー剤などの「材料費」

美容室を開業するときに、ある程度の材料をそろえておく必要があります。費用を抑えたいときには、業務用の通販サイトを利用するのもおすすめです。

 

・シャンプーやトリートメント……2~5千円程度

・カラー剤……2千円程度

・ハサミやブラシ……5千円~10万円程度

・ケープ……2~5千円程度

5.集客のための「広告宣伝費」

自宅で美容室をオープンさせるなら、集客は力を入れたい部分です。すべてプロに外注すると費用がかかるため、チラシ作成サイトやテンプレートを使って、ある程度自作すると費用を抑えられます。

 

・チラシ作成……2~20万円

・ホームページ作成……5~50万円

・情報誌に掲載……2~10万円

6.美容室を経営するための「運転資金」

毎月かかる運転資金も必要です。美容室の規模によって費用は異なりますが、ギリギリの運転資金では想定外の出来事が発生したとき、対応できません。とくに最近では物価高の影響もあり、突然資材の仕入れ値が上がるケースも多いです。余裕のある運転資金を準備しておきましょう。

 

・水道光熱費

・インターネットや電話

・資材

・広告宣伝費

 

美容室の開業費用が足りないときの資金調達方法

美容室の開業費用が足りないときの資金調達方法

リフォーム前の状態や規模・坪数などにもよりますが、自宅で美容室を開業したいなら、500~1,000万円程度あれば十分開業できると言えます。 自己資金が不足している場合、融資の検討もしてみましょう。おすすめは、日本政策金融公庫の「生活衛生新企業育成資金」です。

新たに事業をはじめる方または創業後おおむね7年以内の方が無担保・無保証人で利用できる制度です。担保・保証人は相談に乗ってくれるため、お願いできる人がいない方でも資金調達できる可能性があります。美容室なら設備資金として限度額7,200万円(返済期間:13年以内)の融資を受けられます。審査には創業計画書などの提出が必要になるので、融資を考えている方は早めに準備をはじめてください。

生活衛生新企業育成資金(新企業育成・事業安定等貸付)<特例貸付>|日本政策金融公庫

自宅で美容室を開業するメリット

自宅で美容室を開業するメリット

自宅で美容室を開業する主なメリットは以下です。

 

・ライフスタイルに合わせて柔軟な働き方ができる
・通勤時間がかからない
・賃貸などに掛かる固定費や初期投資を大幅に削減できる
・プライベート感のある自宅サロンを好むお客様を呼び込める
・自分の好みに合わせたインテリアや内装を自由に設計できる
・お客様との距離が近いのでリピーターを増やしやすい

 

とくに家庭を持っている方は、出産や育児などライフステージに合わせて柔軟な働き方ができる点がメリットです。また、自宅なのでデザインなどに制約がなく、自分の理想の雰囲気を最大限実現できる点もメリットだと言えるでしょう。

自宅で美容室を開業するときに気を付けること

自宅で美容室を開業するときに気を付けること

美容室を開業する際、自宅であっても保健所の立ち入り検査が必須です。まずは開業2週間前までには、管轄の保健所に「開設届」を提出します。開設届では、「美容室の所在地」「構造設備」「理・美容師氏名」を記載します。

その後、立ち入り検査や書面の構造設備で美容所として登録できるかチェックを受ける流れです。美容室の開業の条件として、以下のような細かな条件が決まっています。

 

・床面積は13平方メートル以上
・イスの台数(1作業室の床面積が13平方メートルの場合は6台まで)
・客の待合場所(作業中の客以外をみだりに出入りさせないために必要)
・床、腰板の材料(コンクリート、タイルなど決められた素材であること)
・洗場(流水装置なのか)
・採光・照明・換気(照度は100ルクス以上など)
・格納設備(消毒済物品容器及び未消毒物品容器が備え付けられているか)
・消毒設備(消毒設備を設けているか)
・汚物箱・毛髪箱(ふた付の汚物箱及び毛髪箱があるか)

 

これらの条件は地域の保健所によって条件が微妙に異なるため、注意が必要です。各市区町村のホームページに記されていますから、事前に確認しておきましょう。

まとめ

今回は自宅で美容室の開業を考えている方に向けて、費用について解説しました。開業資金の目安は1坪あたり25〜30万円程度で、一人で営業する規模感なら500~1,000万円程度あれば十分開業できます。費用を抑えたいときは一部をDIYしたり、知り合いに頼んだりすると良いでしょう。

また、自宅美容室は通勤時間がない代わりに、仕事をプライベートの境目があやふやになりがちです。POSレジや予約管理システムなどの便利なツールを導入して、うまく時間を確保してください。

もし自宅以外の場所で美容室を開業する場合、プロのサポートを受けることが非常に重要です。専門家に相談することで、適切な場所選びや内装デザイン、設備導入についてのアドバイスを得ることができ、スムーズな開業が実現します。美容業界での成功を目指すなら、その道のプロの意見を取り入れることをお勧めします。

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