1人美容室の年収と経営の現実について詳しく解説

2024-12-11

近年、1人で独立開業する美容師が増えていますが、1人美容室の経営では年収はいくらほどになり、またどのような課題があるのでしょうか。本記事では、平均年収や年収を上げる方法、経営に必要な経費について詳しく解説いたします。

美容師全体の平均年収とは

美容師全体の平均年収とは

まず、美容師全体の平均年収を確認してみましょう。厚生労働省の統計によると、美容師の平均年収は約330万円で、日本の給与所得者全体の平均年収である約458万円より低い結果となっています。

この中には、アシスタントから独立した経営者までが含まれており、特にアシスタントの年収が低く、スタイリストや経営者になるにつれて年収が上昇する傾向にあります。

1人美容室の平均年収シミュレーション

1人美容室の平均年収シミュレーション

1人で美容室を経営した場合、どのくらいの年収が期待できるのでしょうか。以下の設定をもとに試算を行います。

設定例1

  • 1日の来客数: 4人
  • 平均客単価: 9,000円
  • 営業日数: 25日/月
  • 利益率: 売上の60%(経費を差し引いた額)

試算:
4人 × 9,000円 × 25日 × 12ヶ月 × 0.6 = 648万円

設定例2

  • 1日の来客数: 5人
  • 平均客単価: 8,500円
  • 営業日数: 25日/月
  • 利益率: 売上の60%

試算:
5人 × 8,500円 × 25日 × 12ヶ月 × 0.6 = 765万円

結果

1人美容室の年収は、約650万円から800万円程度が見込まれます。これは、日本の平均年収を大きく上回る結果です。ただし、集客状況や経費によりこの数値は変動します。

1人美容室で年収をさらに上げるためのポイント

一人美容室で年収をさらに上げるためのポイント

1人美容室の経営を成功させるために、収入増を狙いましょう。以下のような施策を行うことで、新規顧客やリピーターを獲得し、年収を増やすことができます。

1. 差別化したコンセプトを確立

他店との差別化は、収益向上に直結します。たとえば、以下のような具体的なコンセプトを持つと効果的です。

  • 韓流ヘアスタイル専門
  • ショートカット特化
  • オーガニック商品限定の施術

これにより、ターゲット層の絞り込みが可能となり、リピーターの確保につながります。

2. 店販を活用

1人美容室では店販(ヘアケア製品の販売)を活用することで収益を補完できます。平均的な購入額を基に、以下のような目標を設定してみましょう。

  • 店販売上の目標: 売上の10〜20%
  • 1日の来客数4人、平均単価9,000円の場合:
    4人 × 9,000円 × 0.1 = 3,600円(1日の店販売上)

これを達成することで、年間数十万円の追加収入が期待でき、年収増につながります。

3. SNSを効果的に活用

広告宣伝費を抑えるために、SNSでの情報発信は重要です。特に、以下のようなポイントを押さえた投稿が効果的です。

  • ビフォーアフターのショートムービー
  • 施術風景や店舗の雰囲気を伝える投稿
    SNSを活用することで、低コストで潜在顧客にアプローチ可能です。

1人美容室の経営に必要な経費

1人美容室経営に必要な経費

1人美容室を運営する際、主な経費として以下のような項目が挙げられます。

1. 家賃

店舗家賃は売上の10%程度が目安です。たとえば、売上が80万円の場合、家賃の目安は8万円程度となります。コストを抑えるために、シェアサロンやレンタルスペースを利用するのも一案です。

2. 水道光熱費

電気・水道代は売上の10〜15%程度が一般的です。契約プランの見直しでコスト削減も可能です。

3. 材料費

カラー剤やシャンプーなどの材料費は、売上の5〜10%程度とされています。

4. 広告費

クーポンサイトやSNS広告にかかる費用は売上の10%が目安です。無料のSNS活用で支出を抑えることも可能です。

1人美容室の経営形態別の年収について

1人美容室の経営形態別の収入について

1人美容室の年収は、選択する経営形態によって大きく異なります。それぞれの特徴や利点、収入に影響するポイントを詳しく解説します。

1. 完全独立型:自店舗を持つ経営

特徴

  • 自分専用の店舗を持ち、経営全般を1人で行います。
  • 店舗の内装やインテリア、サービス内容などを自由に決定できるため、自分の理想のサロンを実現可能です。

収入例

  • 1日平均来客数:4人
  • 平均単価:9,000円
  • 営業日数:25日/月
  • 経費率:約40%

計算例
4人 × 9,000円 × 25日 × 12ヶ月 × 60%(収入率) = 648万円

利点

  • 自由度が高く、店舗のブランディング次第で顧客単価やリピーター率を向上させることが可能。
  • 店販やオリジナル商品の導入による追加収入も期待できます。

注意点

  • 初期費用(店舗取得費、内装費など)が高額になる(1,000~1,500万円程度)。
  • 家賃や水道光熱費、広告費などの固定費がかかるため、安定した収入が得られるまで時間がかかる可能性があります。

2. シェアサロン型:スペースを共有して営業

特徴

  • 他の美容師とサロンのスペースを共有し、個別のスペースを借りて営業します。
  • 店舗設備を利用できるため、初期費用や維持費を抑えられます。

収入例

  • 売上歩合:75%還元
  • 消耗品や材料費:10万円/月

計算例
月売上:50万円(25日稼働、平均単価8,000円、1日2~3人対応)
(50万円+10万円) ÷ 0.75 × 12ヶ月 = 960万円
ここから経費10万円×12ヶ月を差し引き、年間収入は約840万円

利点

  • 初期費用が低く、設備投資の負担が少ない。
  • リスクを抑えつつ高収入が見込める。

注意点

  • 他の美容師とスペースを共有するため、店舗の独自性を打ち出しづらい。
  • 資金的負担が軽い分、契約内容(歩合や月額料金)によっては収益が変動しやすい。

3. 面貸し型:フリーランス契約で席を借りる営業

特徴

  • サロンのセット面(席)をレンタルして営業する形態です。
  • 契約内容は歩合制、時間制、または月額制などが選べます。

収入例(歩合制)

  • 売上:50,000円/日(平均単価10,000円、1日5人対応)
  • 歩合率:60%
  • 稼働日数:24日/月

計算例
50,000円 × 0.6 × 24日 × 12ヶ月 = 864万円
ここから消耗品や材料費(約10万円/月)を引くと、年間収入は約744万円

利点

  • 店舗運営の負担がなく、完全なフリーランスとして1人で自由に働ける。
  • 月額固定費を選択すれば、顧客数が多い場合に利益を最大化できる。

注意点

  • 固定顧客の獲得が収入を左右するため、新規顧客を呼び込む努力が必要。
  • 契約サロンの集客力や設備環境に影響される場合があります。

4. 訪問美容型:自宅や出張でサービスを提供

特徴

  • 店舗を持たず、顧客の自宅や施設へ訪問して施術を行う形態です。
  • 高齢者施設や福祉施設での需要が増加しており、今後も成長が期待されます。

収入例

  • 施術単価:7,000円(交通費込み)
  • 1日平均施術数:3件
  • 稼働日数:20日/月

計算例
7,000円 × 3件 × 20日 × 12ヶ月 = 504万円
経費(交通費、消耗品費:約5万円/月)を差し引くと、年間収入は約444万円

利点

  • 初期費用や固定費がほぼ不要でリスクが低い。
  • 顧客との信頼関係を築けばリピーター獲得がしやすい。

注意点

  • 交通費や移動時間の負担が大きい。
  • 一度に多くの顧客を対応するのが難しく、1人あたりの単価アップの工夫が必要。

5. オンライン美容相談・コンサルティング型

特徴

  • オンラインを活用して美容相談やスタイリング提案を行う新しい形態です。
  • 施術以外の知識や経験を活かして収入を得られます。

収入例

  • 相談単価:3,000円/30分
  • 1日平均相談数:5件
  • 稼働日数:20日/月

計算例
3,000円 × 5件 × 20日 × 12ヶ月 = 360万円
ほとんど経費がかからないため、利益率が高いのが特徴。

利点

  • 初期費用が不要で、オンライン環境があればすぐに始められる。
  • 集客ができれば働く場所や時間に縛られない。

注意点

  • 施術とは異なるスキル(提案力、コミュニケーション力)が必要。
  • 実店舗のような安定感がなく、リピーター確保が課題。

どの経営形態を選ぶかによって年収や働き方が大きく変わります。自分のライフスタイルやキャリアプランに合った形態を選び、収入を最大化する工夫をしていきましょう。

まとめ

美容室 広告

1人美容室の年収は、売上や経費次第で大きく変動しますが、適切な経営と差別化戦略により、日本の平均年収を超える結果を得ることが可能です。

1人美容室の経営においては、収益アップを図るための工夫や固定費の削減が重要です。また、シェアサロンや面貸しといった柔軟な形態も選択肢として検討するとよいでしょう。

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